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金属製劇場

 舞台の幕があがった。
 金箔を全身に貼った女がアルミの椅子に腰かけていて、音楽に合わせて両足を開いた。割れ目の奥まで金色、クリトリスも尿道も穴の中も例外ではなかった。隙間なく塗ったというよりは、最初からそうだったようにしか見えない。
 男が現れた。
 筋骨たくましい男は、手に巨大な銀色のディルドを持っていた。それは照明を白く反射しているし、シリコンのような柔らかさは欠片も見えない。プラスチックだとかそういったものでもないようだ。男はディルドを地面に叩きつけた。キン、と甲高い音がひびく。人間のことを考えた素材でもなければ、考えてコーティングがされているわけでもない。冷たく凍えるような金属だ。そんなことを男は強調してから、
 金箔をつけた女の穴にねじるように入れこんだ。
 火花が散った。
 サイレンのような音を金色の女は発し、目を白黒させる。両手、両足を痙攣させる。男は構わずに、ぐいぐいとディルドを押しこむ。情感なにもない、単純作業のように。
 カチリ、と部品と部品とが嵌りあう音がすると、男は動きを一度とめた。女は相変わらず、ウーン、ウーン、という声のような合成音のようなものをあげている。男は女の前から体を遠ざけて、深々と突き刺さったディルドがよく見えるようにした。
 ボルトがネジ穴に嵌っているようにしか、私には見えなかった。男はディルドを再びつかみ、それをもの凄い勢いで回した。青白い火花を散らし、男はディルドの回転を速めていく。しまいには、どろっとした金と銀とがまざった液体が女の穴からこぼれた。金属同士は小擦れあい、加熱され、とけあっていた。
 とけたディルドが女の穴からこぼれ落ちた。
 金色の女は震えながら、アルミの椅子から起きあがった。内部に溜まっていた液体が、彼女の股から地面に零れおちた。女の目の焦点は合っていない。夢のなかを泳ぐみたいに、おぼつかない足取りで彼女は舞台袖に退場する。
 男は女が去ってから、床にこぼれて固まった金属片を拾いあげた。冷めて乾いてしまったそれを男は難なく床から引き剥がした。おそらく、そういう工夫が舞台にされているんだろう。
 男も退場し、舞台には誰もいなくなった。
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sadistictorism

使用者:sadistictorism
 
 肥大化した自意識で糖尿病にかかっちまえ!

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