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空想上の勇者様

 彼は頭がおかしい。
 いつもブツブツと何かつぶやいているし、ときどき聞き取れる単語はオリハルコンだったり暗黒物質だったり、ちょっと非現実なものばかりで、だんだん私は彼の近くで仕事をするのが嫌になってきていた。
 私はいま、パートでコンビニ弁当にポテトサラダを盛りつける仕事をしている。結婚して仕事をやめたら、思った以上に暇だったのだ。
 ベルトコンベアの前にたって、マスクをつけて、手袋をして、黙々とポテトサラダのはいったチューブを絞る。規定量に合わせて、何度もなんども絞る。それを延々と繰り返して、一日に五千円にもならない。安すぎると思う、大学生だったら絶対に選ばなかったアルバイトだ。でも、単純だから熱中できて、時間をわすれられた。暇をつぶすのには丁度いいかもしれない。
 彼がぶつぶつつぶやいている。
「まんこ」
 と、今日は彼は突然つぶやき、私に視線をむけた。私は聞き間違いだと思った。
「まんこ」
 彼はもう一度つぶやくと、視線を私の下半身に向けた。それから手を伸ばしてきた、私は体を引いて、彼の手をさける。彼は同じことばをもう一度つぶやき、もう一度手をのばす。ポテトサラダを入れ忘れた弁当がベルトコンベアを流れていった。不良品をつくってしまった、と場違いなことを思った。その隙をつかれて、彼に股間をなでられた。
「まんこ」
 と彼はまたつぶやいて、私のそこを触った手を自分の鼻先に近づけて、くんくんと匂いをかいだ。満足そうな顔をした。
 彼は頭がおかしいのだ。
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sadistictorism

使用者:sadistictorism
 
 肥大化した自意識で糖尿病にかかっちまえ!

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