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UFOの運んだ病気


 久しぶりに町にでたら、裸の女が仁王立ちしていた。
 見まちがいかと思ったけれど、そうじゃなく、ぼくの頭がおかしくなったままなのかと思ったけれど、そうじゃなく、その手の痴女と何度もなんどもすれ違ったから、おかしくなったのはぼくではなく、世間だと知った。ふう、と安心した。けれど、ぼくが引こもっているうちに何があったのだろう、と、世界を知るために本屋にいった。
 適当な週刊誌をちらちらとつまみ読みして、だいたい何があったのかをぼくは理解した。おおよそ半年前に流星群にのってUFOがやってきて、そのUFOが怪光線を発して、そのせいで、植物繊維というか繊維質なものを着ると(石油だろうが麻だろうが綿だろうが)皮膚がそれと癒着し、崩れてしまう病気が流行ったのだ。
 服をきれない。なら、裸でいいじゃん。
 そんなAVみたいな発想は、実際やってみるとそれほど恥ずかしくなかったようで、世間一般に受け入れられたようだ。やっと三次元が二次元に追いついたのか、とぼくは自嘲的な笑みを浮かべた。
 雑誌を棚に戻して、伸びをした。
 ぼくのとなりでレタスクラブを読んでいる若い女はやっぱり裸で、その乳首は黒ずんでいた。ああ、妊婦なんだな、と思うと、刺激されるところがあった。ぼくの視線に女は気づくと、ちらりとこちらを見て、自分の乳房をしぼるように触った。
 ぼくは慌てて視線をそらして、逃げるように本屋から出た。見渡すかぎり、裸の女がいて、裸の男がいた。服をきているぼくがみょうに浮いていた。ただ奇異の視線で見られるのではなく、心配されるような気配だ。
「にいちゃん」と声をかけられて、振り返ると、全裸の老婆がいて「服を着てちゃ、だめじゃないか。死ぬぞ」
 そうやって、ぼくの服は親切な老婆の手によって、脱がされた。
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sadistictorism

使用者:sadistictorism
 
 肥大化した自意識で糖尿病にかかっちまえ!

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